第一三共 FLT3阻害薬キザルチニブを国内申請、急性骨髄性白血病薬として
公開日時 2018/10/18 03:51
第一三共は10月17日、経口FLT3受容体チロシンキナーゼ阻害薬キザルチニブ(一般名)を日本で同日に承認申請したと発表した。予定適応は、FLT3-ITD変異を有する再発または難治性の急性骨髄性白血病(AML)。厚労省からこれまでに、FLT3遺伝子変異陽性のAML治療を対象として希少疾病用医薬品に指定されている。
2016年度に「がんに強みを持つ先進的グローバル創薬企業」を目指すとの将来ビジョンを掲げてから、初めてのグローバル展開するがん治療薬の承認申請となる。抗がん剤としては以前からトポテシン(一般名:イリノテカン)を手掛けており、がん性疼痛治療薬や、がん骨転移による骨病変の治療薬も扱っている。
キザルチニブの今回の申請は、FLT3-ITD変異を有する再発または難治性AML患者を対象としたグローバルフェーズ3試験(QuANTUM-R試験、日米欧を除くアジアで実施)と国内フェーズ2試験の結果に基づく。
AMLは、骨髄における白血病細胞の異常な増殖の結果、正常な血液細胞の産生が著しく阻害され、治療しないと短期間で致死的になる予後不良な血液疾患。FLT3-ITD変異はAMLにおいて比較的頻度の高い遺伝子変異で、AML患者の約25%に認められるとされる。FLT3-ITD変異を有するAML患者は、変異のない患者と比べ、再発率が高く生存期間が短いと考えられている。
FLT3遺伝子変異陽性AML治療薬には、アステラス製薬が9月21日付で承認を取得したゾスパタ錠(一般名:ギルテリチニブフマル酸)がある。キザルチニブは承認されれば2番手となる。キザルチニブは、第一三共が14年に買収した米国のバイオベンチャー企業のAmbit Biosciences社が創製したもの。