EMAの特別作業班 Brexitの影響踏まえ医薬品不足回避対策など提言
公開日時 2018/09/13 03:50
欧州医薬品庁(EMA)および欧州医薬品担当庁幹部会議(HMA)は、2019年9月末のBrexit(英国のEU離脱)による影響を含め、今後起きる可能性のある、EU内での医薬品審査・承認や流通面での障害や停滞を回避するためにこのほどタスクフォース(TF: 特別作業班)を設置し、TFがその対応策を提言した。EMAが8月29日に発表した。
TFは、BrexitなどEUの医薬品行政に多大な影響を与える可能性のある行政機関の大規模再編や改組などに対して、EU各国市民医薬品の入手が妨害されるような事態の見極め、その防止、管理および各国間のコミュニケーションの調整・円滑化などの対策を講じることを目的に設置された。
今回提言した対策は以下の通り。
▽現行の規制上の枠組みを活用して、医薬品承認と上市の迅速化により供給の障害を除去、医薬品不足を最小限にとどめるための方策を探る。
▽サプライチェーンにおける障害によって引き起こされる医薬品不足の防止ならびに管理方法を改善するための戦略を立てる。
▽医薬品不足を防止するために業界内の最良の実践例を推奨する。
▽EU内における調整作業を改善させるためにEU規制機関の間の情報や最良の実践例の共有を図る。
▽関係者との協力の推進とEU各国市民における医薬品供給の問題についてのコミュニケーションを向上させる。
TFは、患者や市民を含め業界、医療供給者、科学者、流通業者、科学者および行政官など全関係者が以上の問題についての見解や意見を持っているかを明らかにした。今後、TFの提言に組み込むことを目的として、11月8、9日に同関係者によるワークショップを開催する予定。なお、HMAは、EU各国の医薬品担当庁の幹部で構成される会議体。