JCR ハンター症候群用薬JR-141のP3開始、19年度中に申請へ 先駆け審査指定品目
公開日時 2018/08/10 03:52
JCRファーマは8月9日、血液脳関門通過技術を適用したハンター症候群治療酵素製剤「JR-141」(開発コード、一般名:血液脳関門通過型遺伝子組換えイズロン酸2スルファターゼ)の国内フェーズ3試験を開始したと発表した。19年度中の承認申請を目指す。
JR-141は18年3月に、厚労省から先駆け審査指定制度の対象品目に指定された。指定要件は、▽治療薬の画期性▽対象疾患の重篤性▽対象疾患に係る極めて高い有効性▽世界に先駆けて日本で早期開発・申請する意思・体制を持つこと――の全てに該当すること。薬事承認に向けた相談・審査を優先的に行うことができ、目標審査期間は6か月となる。
国内P3試験は、ハンター症候群患者20人にJR-141を12か月間投与し、脳脊髄液中のバイオマーカーを主要評価項目として、中枢神経系症状及び全身症状の変化について評価を行う。
ハンター症候群の既存治療では、欠損している酵素を補充するが、補充された酵素は中枢神経系に移行しないため、中枢神経症状に対して効果が期待できない。JR-141は、対象疾患で欠損している酵素とトランスフェリン受容体を特異的に認識する抗体を結合させた医薬品で、これにより酵素を中枢神経系へ送達させる新規の薬物送達技術を有する。