サンバイオの再生細胞薬SB623 6月19日開催の薬事審議会・部会で製造販売承認の可否について審議へ
公開日時 2024/06/13 04:50
サンバイオは6月12日、同社の再生細胞薬SB623(予定製品名:アクーゴ脳内移植用注)について、来週19日開催の薬事審議会再生医療等製品・生物由来技術部会で製造販売承認の可否を審議すると発表した。同剤をめぐっては3月25日開催の同部会で、品質に関する追加のデータ等の提出が求められ、審議継続扱いとなっていた。SB623 は外傷性脳損傷に続発する運動障害を改善する治療薬として期待され、先駆け審査指定制度の対象品目になっていた。ただ、この間の審査過程で収量問題が指摘され、追加データの提出が求められるなど同社が想定した承認取得時期から大きく遅れていた。
同社は、「6月19日に開催する同部会の議題に、「再生医療等製品アクーゴ脳内移植用注」(SB623)の製造販売承認の可否、条件及び期限の要否並びに再査期間の指定の要否についてが審議事項として含まれていた」と公表した。先駆け審査品目に指定されたSB623は22年3月に製造販売承認申請してから、すでに2年以上経過している。この間の審査で問題視されたのは、「申請時点と比較して収量が減少する」というもの。サンバイオ側も指摘を踏まえ、収量問題への対応を行い、23年8月には収量問題が改善した公表。追加データを提出するなどの対応を行い、24年3月中の承認取得を目指す方針を明示していた。
一方で、3月25日に開催した同部会では、「現時点で得られたデータでは、治験製品と本品との同等性/同質性は判断できない」として品質面で更なる疑義が示され、継続審議扱いとされた。サンバイオ側も追加データの提出を行うなどして、ようやく6月19日の同部会で審議される運びとなった。
SB623 は健康成人骨髄液由来の間葉系間質細胞を加工・培養して作製されたヒト(同種)骨髄由来加工間葉系幹細胞(国際一般名:バンデフィテムセル)で、脳内の損傷した神経組織にSB623を移植すると、損傷した神経細胞が本来持つ再生能力を促し失われた機能を回復させる効果が期待されている。2016年の世界の急性外傷性脳損傷の新規患者数は2700万人(推定)、外傷性脳損傷に続発する慢性障害の新規患者数は5550万人(推定)という。