塩野義 先駆け指定の経口インフルエンザ薬ゾフルーザの承認取得、申請から4か月で
公開日時 2018/02/26 03:51
塩野義製薬は2月23日、新規の抗インフルエンザウイルス薬ゾフルーザ錠10mg、同20mg(一般名:バロキサビル マルボキシル)について、厚労省から同日付で承認を取得したと発表した。適応症は「A型又はB型インフルエンザウイルス感染症」。成人、小児を問わず、1回のみの服用で治療が完結するのが特徴。新規作用機序のため、耐性ウイルスが出現しても効果を発揮することも期待されている。
同剤は一定要件を満たす革新的新薬として厚労省から15年10月に、先駆け審査指定制度の対象品目に指定された。承認申請は17年10月25日に行われており、約4か月で承認されたことになる。
同剤の薬食審部会通過は18年2月2日で、通常であれば3月に承認されるが、前倒しの承認となった。この点について厚労省は本誌取材に、▽インフルエンザ治療薬であること▽先駆け審査の指定品目であること――を理由に、「事務手続きを可能な限り頑張った」と説明した。
薬価収載を早めるかどうかについては、「基本的には60日~90日での収載を考えている」とのみ回答した。これは通常ルールに則った運用となるが、薬価改定が行われる4月1日以降に、他の新薬に先駆けて収載される可能性もありそうだ。塩野義は、「薬価収載後、速やかに発売する予定」としている。
同剤は、塩野義が創製したキャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬で、既存薬とは異なる新しい作用機序でインフルエンザウイルスの増殖を抑制する。経口の単回投与であることから、利便性が高く、確実なアドヒアランスが期待できる薬剤だとしている。