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ヤンセン 統合失調症発症予測のバイオマーカー、6つの研究機関と共同研究

公開日時 2018/01/16 03:51

ヤンセンファーマは1月15日、統合失調症前駆期の正確な診断、精神病発症予測をサポートするバイオマーカーを開発するため、国立精神・神経医療研究センター、富山大学、東邦大学、奈良県立医科大学、久留米大学、千葉大学――の6つの研究機関と共同研究を行うと発表した。研究期間は2020年12月までの3年間を予定している。統合失調症の発症予防、機能低下の予防は統合失調症治療におけるアンメットメディカルニーズのひとつになっている。

統合失調症は思春期から成人期にかけて発症する疾患。近年の研究により、統合失調症患者では発症前に前駆期を示すことが明らかになり、そのような状態にある人は超ハイリスク群(UHR)とされている。

共同研究では、バイオマーカー候補として、UHR群で異常が報告されている睡眠の異常、サイトカインの測定を行い、健常者との違いを検討する。さらにUHR群では1年間の縦断的な測定を行い、精神症状の変動とバイオマーカーの変化の関連を検討して、UHR群における精神病発症予測に役立つバイオマーカーを確立することを目指す。研究予算は開示していない。

ヤンセン広報部は本誌取材に、研究成果の取り扱いについて、「共同研究当事者間で協議して決めることになっている。また、研究成果の公表も当事者間で同意を取った上で行う予定になっている」と説明した。

統合失調症の有病率は約1%。多くの患者に前駆期があるとされるが、UHR群を対象とした前向き研究では1~2.5年の間の精神病の発症率は8~54%とばらつきがあり、正確な発症予測をサポートするバイオマーカー開発は早期介入を行う上で重要となる。また、統合失調症の新規治療法の開発につながる可能性もある。
 

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