米FDA長官 ようやくGottlieb氏が就任
公開日時 2017/05/17 03:50
米食品医薬品局(FDA)は5月11日、同日付で長官に元副長官のScott Gottlieb氏が就任したと発表した。ドナルド・トランプ大統領が3月11日、元副長官でコンサルタント会社American Enterprise Instituteのレジデント・フェローであるScott Gottlieb氏を指名したと発表したものの、製薬企業との関係が過度に親密だと指摘され、利益相反の観点から、民主党議員や消費者団体から批判を受けていた。
5月4日に開催された、上院保健・教育・労働および年金委員会は、長官就任の承認を目的とした公聴会を開催し、同氏から事情を聴き、5月9日、上院本会議で同氏就任の可否採決を行った結果、承認57票、非承認42票で承認された。
Gottlieb氏は就任後、まだ挨拶やコメントなどは発表していないが、副長官時代の発言や各種論文発表などから、医薬品業界に精通し、医薬品承認の迅速化や業界発展の環境形成に熱心との評判のようだ。
PhRMA(米国研究製薬工業協会)のStephen J Ubl理事長は3月、同氏が指名された時点で声明を発表、そのなかで、「Gottlieb氏は、医師としての経験やヘルスケアについての幅広い識見に基づき、FDAが公衆衛生の保護や患者が必要とする医薬品の審査と承認におけるイノベーションで重要な役割を果たし続けることを確実なものにするだろう」と話した。
米国バイオテクノロジーイノベーション協会(BIO)のJim Greenwood CEOは5月9日、Gottlieb氏就任を受けた声明で祝辞を述べたうえで、「今日、FDAはあまたの機会に直面している。我々は、Gottlieb氏の就任はFDAに近代医薬品開発のツールを活用し、より一層患者の観点をFDAの規制プロセスに組み込むために安定性とリーダーシップを与えるものだ」と今後の同氏の活躍に期待感を示した。
Gottlieb氏は、マウントサイナイ医科大学(ニューヨーク市)卒業。マウントサイナイ・メディカルセンター内科医、ニューヨーク大学医学部臨床准教授、FDA副長官、FDA長官上級顧問、メディケア・メディケードサービス庁(CMMS)上級顧問、連邦政府情報技術政策委員会(米保健福祉省の諮問機関)委員などを歴任している。