メディパルHD AR2000人規模に コ・プロなど本格活用へ
公開日時 2017/05/17 03:51
メディパルホールディングス(HD)の依田俊英常務取締役は5月16日、東京都内で行った決算説明会で、AR(MR認定試験合格したMS)が2000人規模に達し、「本格活用する段階に入った」と述べ、製薬企業とのコ・プロなど積極的に事業に活かす姿勢を示した。既存製品の売上による対価だけではなく、市場の新規開拓などプロモーション行動に対し対価を受領するビジネスの拡大を図る。2017年3月期(16年度)時点で5社6製品とARプロモーションを行い、11億円の営業利益を獲得。18年度までの中期経営計画中に倍以上の25億円を目指す。
ARによる事業は、中計に示された新規事業の営業利益目標50億円(16年度17億円)の半分を見込む成長戦略の中核的な取り組み。3月には、ノーベルファーマのノベルジン錠について、低亜鉛血症領域で共同販促契約を締結し、スタートさせた。同剤の流通を担当しているが、今回、同適応症の潜在患者が多いと見て共同販促の権利を獲得、AR含む約3200人のMSが医師にアプローチし、患者を発掘し、処方につなげる。
依田常務は「今までARでのプロモーションは試行錯誤だった。売上ベースで評価してみたり、今までの卸のプロモーションの延長でしかやっていなかった。今回の本格展開は、処方元に行って、その(プロモーション)行動に対する対価を頂戴する」「コ・プロの形をとるとなると、私どもがPMSも担うことになるので、ARへの投資が総合的に生きてくる」と説明、PMS受託との相乗効果も見込む。利益目標50億円は「射程圏内にある」と話した。
渡辺秀一社長は、「メーカーのMRが減り、マンパワーが足りない。そこは卸のMSが代替すればいいというのが原点だったはず。本来の卸機能に戻ることで、MRがやっていたところを卸がすることで、社会的コストが下がる」と持論を述べた。