アステラス 便秘型過敏性腸症候群治療薬リンゼス錠を新発売
公開日時 2017/03/23 03:51
アステラス製薬は3月22日、便秘型過敏性腸症候群(IBS-C)治療薬リンゼス錠0.25mg(一般名:リナクロチド)を同日に新発売したと発表した。日本では成人の2.9%がIBS-Cといわれているが、IBS-Cの効能・効果で販売されている薬剤はなかった。類似の効能・効果の薬剤としてはトリメブチンマレイン酸塩やポリカルボフィルカルシウムがある。
薬価は0.25mg1錠 あたり92.40円。1日1回、食前に経口投与して用いる。
同剤はグアニル酸シクラーゼC受容体作動薬。腸粘膜上皮細胞に発現しているグアニル酸シクラーゼ受容体に局所的に結合し、同受容体を活性化することで腸管分泌及び腸管輸送能を促進し、加えて内臓痛覚過敏を改善する。
過敏性腸症候群は便秘型、下痢型、混合型、分類不能型――に分類される。日本消化器病学会の診療ガイドラインでは、治療は段階的に行うことが推奨されており、便秘型ではまず食事と生活習慣改善の指導を行い、必要に応じて薬物治療を単剤あるいは併用で行う。同剤の使用上の注意でも、「食事指導及び生活指導を行った上で、症状の改善が得られない患者に対して本剤の適用を考慮すること」とされている。