厚労省 肺炎球菌ワクチンの誤接種で注意喚起 ミス再発で
公開日時 2017/02/13 03:50
厚労省は、肺炎球菌ワクチンについて適応年齢ではない患者に誤って投与したミスの再発がみられるとして、「医薬品・医療機器等安全性情報」No.340に掲載し、医療従事者に対し注意喚起した。
肺炎球菌ワクチンには小児において、2歳以上を対象とするニューモバックスNP(23価肺炎球菌夾膜ポリサッカライドワクチン、MSD)と、2カ月齢以上6歳未満を対象とするプレベナー13水性懸濁注(13価肺炎球菌結合型ワクチン、ファイザー)が販売され、それぞれ接種適応年齢が異なる。
しかし、安全性情報によると、2歳未満の乳幼児にプレベナーを接種すべきところを、ニューモバックスが誤って接種されたことが確認された。接種当日は誤投与に気づかず、後日の受診時に、医師が母子手帳の予防接種欄に貼付されたロットシールを見て誤投与の可能性に気づいたものという。背景として、ワクチンが個人別の払い出しではなく、外来分としてまとめて請求するシステムになっていたほか、投与した医師もプレベナーを接種したと思い込んでいたなど、オーダーから投与までの各過程でのチェック機能が不十分であったことを挙げた。
対策には、ワクチンの払い出しについては個人別の払い出しのシステムに改め、薬剤部での生年月日からの年齢確認を徹底することとした。ワクチンの投与時においては医師と看護師での二重確認や、家族にも薬剤名を確認してもらうようにしたという。
医薬品卸にも注意呼びかけ 受注は製品名で
このような肺炎球菌ワクチンの誤接種はこれまでにも厚労省、日本医療機能評価機構、製造販売するMSDとファイザーから注意喚起されている。これまでのケースとしては、▽2歳未満の小児に対して接種する目的で、卸売販売業者へ「肺炎球菌ワクチン」 と注文したところ、適応ではないニューモバックスが納品され、そのまま接種した▽小児科外来より 「肺炎球菌ワクチン」 との請求が薬剤部にあり、以前から他科にて使用していたニューモバックスが払い出され、接種した▽ニューモバックスとプレベナーともに納入実績のある医療機関より卸売販売業者に 「肺炎球菌ワクチン」 と注文がなされ、納入された「ニューモバックスを2歳未満の小児に対して接種した▽手書き処方により 「肺炎球菌ワクチン」 と請求があり、薬剤部にて成人に対してプレベナーが払い出され、接種した--がある。
これまでの厚労省による注意喚起では、医療機関ほか、医薬品卸に対しても行っている。その中で「肺炎球菌ワクチンの処方、調剤及び注文を行い、又は注文を受けるときは、呼称として製品名を用いること」としている。