米国 後発医薬品の使用量は89%も金額ベースでは低率に
公開日時 2016/12/02 03:50
米国ジェネリック医薬品協会(GPhA)のChip Davis理事長兼CEOは、薬剤費を軽減するには後発医薬品(GE)およびバイオシミラー(BS)の使用促進を一層図る必要があることを改めて訴えた。GPhAのまとめた年次報告(2016年)では、後発医薬品は数量ベースで調剤された処方せん枚数の89%。一方で、金額ベースでは医薬品費合計の27%にとどまり、使用量は増加しているものの、薬剤費は減少している。米政治専門誌「Politico」が11月29日、米ワシントンで開催した薬剤費や薬価高騰問題についてのパネルディスカッションで明らかにした。
パネルには、メモリアル・スローン・ケータリングがんセンター、米国研究製薬工業会(PhRMA)、Alliance of Community Health Plans(保険会社)、およびGPhAからの代表者が登壇し、議論を交わした。
GPhAのChip Davis理事長兼CEOがパネルで話した概要は以下の通り。
▽GPhAのまとめた年次報告(2016年)では、こうつい薬品は数量ベースでは調剤された処方せん枚数の89%を占めた。しかし、金額ベースでは医薬品費合計の27%に過ぎない。使用量は増加しているものの、薬剤費は減少している。連邦議会やFDA(食品医薬品局)とともにさらに患者の後発医薬品とバイオシミラーへのアクセス拡大の手段を講ずる必要がある。
▽薬剤費高騰(新薬)を抑制するには、後発医薬品との競争を促進する必要がある。
▽何らかの政策的決定をする前に先発品と後発医薬品の根本的な相違を認識しておくことが重要である。政策立案者は、先発品と後発医薬品を同様に扱うような大雑把な政策が意図せざる結果、例えば、後発医薬品との競争を阻害し、患者アクセスと経費節減を危うくするような結果を招くことを理解すべきである。GPhAは、患者の後発医薬品へのアクセス、および支払者や政府にとって後発医薬品使用による経費節減を推し進めるには、競争の障壁を取り払うようすべての関係者の支援を必要としている。同時に、患者の自己負担の大半を占める医薬品部門(の現状と将来)について率直に意見を交わすことを望んでいる。