塩野義 オピオイド誘発性の便秘症用薬ナルデメジン錠 日米で承認申請 17年度の上市見込む
公開日時 2016/04/07 03:50
塩野義製薬はこのほど、オピオイド誘発性の便秘症に用いる治療薬ナルデメジン(一般名)0.2mg錠について、日本と米国で承認申請したと発表した。日本の予定適応症は「成人におけるオピオイド誘発性の便秘症」、米国では「成人非がん性慢性疼痛患者におけるオピオイド誘発性の便秘症」となる。同社では日米とも17年度の上市を見込んでいる。
オピオイド鎮痛薬は脳内のμオピオイド受容体に作用して強い鎮痛作用を示すが、腸管のμオピオイド受容体にも作用することで腸の活動を低下させ、重い便秘症状を引き起こす。重い便秘症状はオピオイド鎮痛薬治療の中断につながるなど疼痛管理の阻害要因にもなり、便秘症状を緩和する医療ニーズは高い。
ナルデメジンは自社創製した末梢性μオピオイド受容体拮抗薬。オピオイド鎮痛薬の鎮痛作用を減弱させることなく、末梢のμオピオイド受容体に結合し、オピオイド鎮痛薬の作用に拮抗することで便秘症状を緩和する。同社グループ単独で初めてグローバル開発した。同社は、「ナルデメジンは日米のオピオイド誘発性便秘症でお困りの患者のQOLを改善する新たな治療選択肢となることが期待される」としている。
同社は日本で中等度から高度のがん性疼痛に用いるオピオイド鎮痛薬オキシコンチンなどを販売している。研究開発活動のコア領域のひとつに疼痛領域を位置付けており、「引き続き疼痛領域における取り組みを強化し、様々な痛みや疼痛治療薬による副作用でお困りの患者のQOL向上に貢献する」とコメントしている。