米FDA 乾癬治療薬Taltzを承認
公開日時 2016/03/28 03:50
米食品医薬品局(FDA)は3月22日、尋常性乾癬治療薬Taltz注射剤(ixekizumab)を成人における中等症から重症の尋常性乾癬の適応で承認した。同剤は、尋常性乾癬の炎症を引き起こすインターロイキン(IL)-17に結合し、その活動を抑制する抗体医薬である。同剤は注射剤で、全身療法もしくは光線療法(紫外線療法)あるいは双方の適格者とされている患者が適応である。
安全性および有効性は、3866例の全身療法もしくは光線療法の適格者となっている尋常性乾癬患者を対象とした3本の臨床試験で検証された。試験結果は、プラセボに比べ、皮膚症状はPASI(重症度評価)スコアやPGA(医師評価)スコアで大きく改善された。
免疫系に作用するため、感染症のリスクやアレルギー、自己免疫疾患などの可能性について、患者向けのメディケーションガイドの配布が義務付けられた。同剤の服用によって、重篤なアレルギー反応の発現あるいは炎症性腸疾患の増悪などが報告されているため、患者を注意深くモニターすることが推奨されている。
米イーライリリー(本社:インディアナ州インディアナポリス)が販売する。 Lilly USA LCC(イーライリリー子会社)のAlex Azar社長は、「乾癬とともに生きる多数の人びとはいまだに疾患を上手に管理する治療法を求めている」と指摘した。その上で、「Taltzの承認によって、患者が実際にあるいは完全に皮膚がきれいになるという経験を持つことに役立つ新規治療法を提供できることをうれしく思う」とコメントした。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のJulie Beitz医薬品評価第2部長は、「本日のTaltzの承認は、この疾患による皮膚のかぶれや不快感に悩む患者に新たな重要な治療選択肢を提供するものだ」と同剤の登場を歓迎した。