厚労省 患者の歩行支援ロボットスーツ承認 神経・筋難病向け
公開日時 2015/11/26 03:52
厚労省は11月25日、下肢に装着して歩行を支援するロボットスーツについて、筋ジストロフィーなどの神経・筋難病患者向けの医療機器として承認したと発表した。これは日本のバイオベンチャーCYBERDYNE社(茨城県つくば市、山海嘉之社長)が3月に承認申請していたもので、販売名は「HAL医療用下肢タイプ」。同社は、保険適用を申請する。
対象は、緩徐進行性の神経・筋疾患で以下のとおり。▽脊髄性筋萎縮症(SMA)▽球脊髄性筋萎縮症(SBMA)▽筋萎縮性側索硬化症(ALS)▽シャルコー・マリー・トゥース病(CMT)▽遠位型ミオパチー▽封入体筋炎(IBM)▽先天性ミオパチー▽筋ジストロフィー--の8疾患。
この機器は、患者の体を動かすときの脳から筋肉へ神経を通して信号(生体電位信号)を読み取り、それに応じてスーツ内のモーターにより下肢の動きを支援する。歩行運動を繰り返すことで、歩行機能を改善する目的で使用する。
この機器について同省は14年12月に希少疾病用医療機器に指定し、優先審査した。もし保険適用を認めれば、早ければ4月に適用となる。
なお、同社は、脊髄疾患への適応拡大を目指し、2014 年9月からHTLV-1関連脊髄症(HAM)等の主に痙性のある対麻痺症に対する治験を実施しているという。