米FDA 抗精神病薬・エビリファイ 初のGEを承認
公開日時 2015/05/08 03:50
米食品医薬品局(FDA)は4月28日、非定型抗精神病治療薬Abilify(一般名:アリピプラゾール、日本製品名:エビリファイ)の初のジェネリック医薬品(GE)を承認した。適応症は、統合失調症および双極性障害。
承認されたのは、インド・Alembic Pharmaceuticals、インド・Hetero Labs、イスラエル・Teva Pharmaceuticals、インド・Torrent Pharmaceuticals計4社のGE製品。先発品は、大塚製薬のAbilify(日本製品名:エビリファイ)。同剤のGEについては、欧州医薬品庁(EMA)も4月20~23日に開催したヒト医薬品委員会(CHMP)で、ギリシャ・Pharmathenならびにチェコ・ZentivaのアリピプラゾールGEについて承認勧告を行ったところ。
同剤の枠組み警告では、抗うつ剤を服用した小児、青少年で自殺念慮や自殺行為のリスクが増大したことが記載された。患者は自殺念慮や行為の兆候がないか観察されなければならないとされている。同剤の調剤時に、ベネフィットおよびリスクを概説した患者メディケーションガイドの提供が義務付けられている。
また、すべての抗精神病薬では、枠組み警告として、認知症関連精神病における行動障害に対する適応外使用する場合、死亡のリスクが増大すると記載されているが、同剤でも同様の記載がなされた。さらにFDAは、認知症関連精神病を治療する薬剤で承認されたものではないと断っている。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のJohn Petersジェネリック医薬品部長は、統合失調症などの治療が長期間にわたることから、「患者にとっては、(手ごろな価格の)治療アクセスが重要だ」と指摘。「医療供給者および患者ともにFDAが承認したGEは先発品と同様の厳格な基準に合致していることを保証されている」と改めてGEの品質への懸念を払しょくした。
米国では、米国人の約1%が統合失調症といわれており、同治療薬のニーズは高いとみられている。