中国 承認審査の滞留 前年比3割増の1万8500品目に
公開日時 2015/03/18 03:50
中国における2014年末現在の医薬品審査の滞留が前年同期比の3割増の1万8500品目に上ることが、中国食品医薬品局(CFDA)がまとめた「2014年医薬品審査年次報告」(2014 Drug Review Annual Report)で分かった。米ロイター通信や米専門誌「Fierce Pharma」などが報じた。
中国医薬品業界関係者は中国市場で承認取得が一層困難になり、製品上市が遅れると懸念の声が高まっている。審査滞留の背景には、2年前に行われた安全性の重視および審査の迅速化を目的とした審査システムの変更があると指摘されている。
2014年に中国の臨床試験センターが受理した申請数は8868件で前年の7610件から大幅に増加した。政府は、医薬品業界経験のある専門家を雇用するなどして審査官を増員し対応しているが、申請の増加に追いつかないのが現状のようだ。
CFDAで医薬品審査を担当する医薬品評価センター(CDE)は、申請数が急増しているために「さらに滞留している業務に追い打ちをかけている状況だ」と話している。
中国医薬品市場は2018年までには1850億ドル規模に成長し、世界第2の医薬品市場になると見込まれている。国内外の医薬品企業や医療機器企業、医療機関経営者にとって魅力的な市場だ。
ただ、成長産業とはいえ、医薬品産業ばかりでなく医療機関でも贈収賄が蔓延しているため政府がその撲滅を推進していること、都市と地方の市民の受ける医療格差が拡大していることの問題解決が迫られているなど課題も多い。