GPhA 米初のBS承認を歓迎も一般名では要望続行
公開日時 2015/03/11 03:50
米国ジェネリック医薬品協会(GPhA)は、米食品医薬品局(FDA)が米国初となるジェネリック医薬品(GE)のフィルグラスチムを承認したことを受け、3月6日、それを歓迎する内容のRalph G Neas会長の声明を発表した。
Neas会長は、「サンド社のZraxio(filgrastim-sndz)の承認は、がん患者や米国のヘルスケア制度にとって新時代を切り開くものだ。バイオ製剤救命薬の安全かつ手ごろな価格のものが現実のものとなる。消費者、従業員、民間保険会社、納税者、州政府および連邦政府管掌保険すべてがBSの登場で恩恵を被る」とコメントした。
さらに、同会長は、Zarxioの承認は、FDAが同薬が参照品(先発品:Amgen社のNeupogen)と「極めて同等」であり、「科学的に有意な相違はない」ことを認めたもので、米国のがん患者は、欧州ですでに使えていた同じBSに依存できるようになったとBS普及面で欧州にようやく追いついたとの見方を示した。
その上で、「消費者団体、保険支払者、薬剤師、薬剤給付管理会社(PBM)、労働組合、マネージドケア薬局など関係者が長く求めていた瞬間が現実になった」と改めて強調、政策立案者に対する教育でのGPhAなどGE企業関係者の努力が実ったことを評価した。同会長は、「この歴史的開発に対してFDA、サンド社、そして患者には謝辞を表したい」と述べた。
一方で、いまだBSの一般名に関する方針が定まっていないためにガイダンスも策定されておらず、先発企業らは、BSは科学的に先発バイオ製剤とは異なるので同一の一般名を使用するべきでないとの主張をし、論争が続いている。
今回FDAは、一般名をfilgrastim-sndzとして、フィルグラスチムのあとにサンドを示すsndzを付けた。GPhAは、今回の声明でも、「FDAが現行のINN(国際一般名称)から離れることは、薬剤の追跡や調剤面での能力をそぎ、医療供給者に混乱を招き、患者の安全を脅かす」として、INNを維持することを今後も求め続けると訴えている。