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製薬協・多田会長 増税延期で社会保障費の新たな伸び抑制策の可能性も

公開日時 2014/11/21 03:52

日本製薬工業協会の多田正世会長(大日本住友製薬社長)は11月20日、都内で行った定例会見で、2015年10月に予定されていた10%への消費税率引き上げを1年半延期すると安倍晋三首相が表明したことに対し「社会保障を担保する(財源となる)収入が(先に)延びたわけで、それに対応した政策がまた打ち出される可能性もある」と指摘し、社会保障費の伸びを抑制する新たな政策が導入される可能性があるとの認識を示した。社会保障費の伸びの抑制策が実施されると、診療報酬改定や薬価制度改革に影響することから、企業の経営見通しにも影響が及びかねない。

多田会長は、増税などに対する対応を会内で検討していたことを明かした上で「増税が延びたことで、検討の時間をいただけたが、時間があるからといって日本の財政がより良くなるという保証はない」と述べ、社会保障費とそれを取り巻く環境の厳しさは変わらないとし、会内の検討も続けるとした。

薬価の毎年改定に反対 実勢価の把握難しくなると指摘


政府内で浮上している薬価の毎年改定案には、改めて反対する姿勢を強調した。毎年改定で企業経営の予見性が低まる上、製薬などを成長産業として位置付ける政府の戦略と矛盾するとした。併せて、薬価改定を行うための薬価調査を毎年行うことで、医療機関への納入価の妥結が早めても総価による妥結が増えるおそれがあり、かえって不透明になるとして、実勢価を毎年把握するのは難しいとの技術的な理由も挙げた。多田会長は「2年に1度のルールは、医療界を挙げて支援いただける考え方ではないかと思っている」と話した。

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