シミック・アッシュフィールド マルチチャネルなど新規サービスで成長図る 3~5年でMR1000人目指す
公開日時 2014/11/12 03:51
10月1日に発足したシミックエムピーエスエス(MPSS)とCSO欧州最大手の英Ashfieldの合弁会社「シミック・アッシュフィールド」は11月11日、発足後初めて記者会見を開き、グローバル企業からの受注拡大のほか、マルチチャネルソリューションやMRが複数社の非競合領域の製品を担当するシンジケートサービスなど新規サービスを加えることで、今後3~5年で売上を約40億円増の100億円以上、MR数1000人体制を目指す方針を示した。
これは、同社の加藤永生(写真左)、グレッグ・フリン(写真左から二番目)の両代表取締役が明らかにしたもの。同社は、MPSSの国内市場での専門知識と実績、Ashfield社が持つ日本にない事業モデル、グローバル企業へのリーチなど国際的な事業展開の総合力を一体化させてサービスの拡充、競争力の強化を図り、外資系CSOが勢いを増す国内市場で、シェア拡大を図る。シミックホールディングス(HD)の中村和男CEOは、「今後MRのあり方は劇的に変化するだろう。しかし、その行き着く先は見えていない。今後の変化を(我々が)捉えることで、アウトソーシング率は上がるだろう。その時、Ashfield社の持つ経験が役に立つものになるだろう」と、合弁事業の意義を説明した。
来日した英Ashfield社CEOのChris Corbind氏(写真中央)は会見で、今後のCSOについて、従前のプライマリーケア製品を中心としたSOVのための人材確保型から、深い専門知識が必要な製品が増え、IT等あらゆる手法によって問題解決を図るソリューション提供型がトレンドだと指摘。包括的なサービスを提供できることになることが必要だと強調した。
フリン代表取締役は、生活習慣病薬中心から、がんなどスペシャリティケア製品へシフトするなど製品ポートフォリオの変化への対応、医師以外への多様なチャネルによるアプローチの必要性を指摘。ニーズに応じてMR以外のチャネルも総合的に提供することが大事だとし、マルチチャネルソリューションを新規サービスの成長ドライバーの1つにする考えを示した。
加藤代表取締役は、「合弁化前の両社の提携で多様なプロジェクトを実施し、多様なニーズを確認でき、MRのスキルを磨くことができた。ニーズに応える新たなサービスを展開する準備ができた」と述べ、近く研修施設を立ち上げ、人材育成を強化することを明らかにした。
シミックHDの中村CEOは、シミックグループのCRO、CMO、CSOという開発から販売までのバリューチェーンを生かし、日本未進出の外資系企業が「安心して(我々に)丸投げできる」サービス体系も構築していくとした。
なお、シミックHDは同日、Ashfieldを保有するUDGグループと、CSO事業について2年程度かけてアジアでの事業展開を検討することで新たに提携したと発表した。