米FDA 希少疾患治療薬・機器15プロジェクトに助成金
公開日時 2014/10/07 03:50
米食品医薬品局(FDA)は希少疾患治療に用いる医薬品・医療機器の開発に助成金を授与する「FDA希少製品助成金プログラム(FDA Orphan Products Grants Program)2014年度」で、15件のプロジェクトに助成金を授与すると9月30日、発表した。
FDA希少製品助成金プログラムは、1983年に希少疾病薬法が連邦議会を通過したことに伴い、創設された。希少疾患治療薬や医療機器開発促進が目的。すでに発足以来、530件以上の臨床試験に合計3億3300万ドルの助成金が交付されてきた。そのうち、すでに50以上が承認を取得している。
FDAのGayatri R Rao希少製品開発部長は、「FDAは、希少疾病に悩む人々を助けるために、希少疾病薬開発にインセンティブを与えるというユニークなポジションを維持している」と述べた。その上で、「今年度の助成金は、治療選択肢がほんとどないか、あるいはまったくない治療困難な疾患におい必要とされる研究に授与された」とコメントした。
2014年度の主な授与者、研究プロジェクト、助成金額などは以下の通り。
▽シンシナチこども病院メディカルセンター(オハイオ州シンシナチ)のDenise Adams、高リスクのカポジ肉腫様血管内皮腫に対するビンクリスチンとシロリムスのフェーズⅡ、4年間で160万ドル。
▽スタンフォード大学のAlfred Lane(カリフォルニア州スタンフォード)、リンパ管奇形に対するシルデナフィルのフェーズⅡ、4年間で160万ドル。
▽ジョンズホプキンズ大学(メリーランド州バルチモア)のDung Le、膵がんに対するイピリムマブとがんワクチンGVAX治療後のFOLIFIRINOX療法のフェーズⅡ、4年間で160万ドル。
▽Selexys Pharmaceutical Corporation (オクラホマ州オクラホマシティ)のScott Rollins、鎌状赤血球病に対するSelG1(P-セレクチンに対するモノクローナル抗体)のフェーズⅡ、4年間で160万ドル。
▽ジョンズホプキンズ大学(メリーランド州バルチモア)のPamela Zeitlin、嚢胞性線維症に対するジギトキシンのフェーズⅡ、1年間で29万ドル。
なお、希少疾患は患者数20万人以下の疾患と米国では定義づけられている。米国衛生研究所(NIH)によると、約7000の希少疾患があり、合計約3000万人が少なくとも1つの希少疾患に罹患しているという。