ノバルティス JAK阻害薬ジャカビ錠 真性多血症の効能追加を申請
公開日時 2014/09/17 03:50
ノバルティス ファーマは9月12日、JAK阻害薬ジャカビ錠5mg(一般名:ルキソリチニブリン酸塩)で真性多血症の効能追加を同日付で申請したと発表した。真性多血症は治癒が困難な血液疾患。現在まで根治療法は確立されておらず、異常に増加した赤血球数の低下を目的に体内から血液を抜き取る瀉血療法や化学療法が治療の主体となっている。日本での年間発症率は10万人あたり約2人、年間発症率と10年生存率から国内患者数は約3万人とされる。
真性多血症は、血液中の赤血球の増加を典型的な特徴とし、血液の粘度が亢進することで血栓リスクが高まる。その結果、脳卒中や心臓発作などの重篤な心血管系の合併症を引き起こし、死亡率を上昇させる可能性がある。さらに予後の不良な骨髄線維症、骨髄異形成症候群、急性骨髄性白血病などへの進展が懸念されるほか、脾腫や消耗性の症状で日常生活に影響を及ぼす。
ジャカビは9月2日に骨髄線維症治療薬として発売された新薬。同剤はヤヌスキナーゼ(JAK)と呼ばれる酵素を阻害し、JAK1、同2に高い選択性を示す。真性多血症患者ではJAK2のシグナル伝達経路の恒常的な活性化がみられており、同剤によってJAK2を介した経路を阻害することで赤血球数をコントロールし、脾腫や諸症状の改善が期待されている。フェーズ3試験では真性多血症患者の血球コントロールと脾腫縮小効果において、既存治療法と比較して同剤の治療が有意に優れていることが示されている。