中外・第2四半期 国内売上8.8%増 対計画進捗率も改善 エリアマーケ強化奏功
公開日時 2014/07/28 03:51
中外製薬の2014年第2四半期決算では、国内製品売上(タミフル除く)は1653億円、8.8%増と好調だった。13年度決算では同社を含め主要メーカーの期初計画未達が目立ったが、同社は今回、期初の売上計画に対する進捗率は49.2%と、前年同期と比べ3.0ポイント改善した。同社の戸早正昭常務執行役員営業本部長は、現場のマネージャーに対し、エリアごとに市場を分析し、ターゲット顧客を見定め、個々のMR活動につなげるエリアマーケティングを強化したことが一因と、本誌に説明した。
同決算は7月24日に発表された。製品別ではアバスチンが競合激しい大腸がん領域で好調だったことや、乳がん治療薬では、ハーセプチンによる治療が奏功しなくなった患者の治療薬として期待されているパージェタ、カドサイラの新薬が加わり、がん領域全体では10.8%増。加えて関節リウマチ薬アクテムラ、骨粗鬆症薬エディロール、腎性貧血薬ミルセラといった主力品がいずれも2桁増であったことが好調さにつながった。これら主力品はいずれも対計画の進捗率は、前年同期より改善した。
※主な製品の対計画進捗率をまとめた一覧表が下段「関連ファイル」よりダウンロードできます。
板谷嘉夫取締役専務執行薬品は24日の決算説明会で「営業力をしようとしており、その成果が出てきている」と説明した。同社は13年から15年までの中期経営計画で、重要課題の一つに「営業生産性の向上」を掲げており、地域の実臨床の支援を重視したディテールの強化とそのための体制の構築に取り組む方針を示していた。戸早営業本部長が、国内好調の一因に挙げたエリアマーケティングの強化もその一環といえる。
【連結実績(前年度比) 通期予想(前年度比)】
国際会計基準(IFRS)適用
売上高 2220億2200万円(10.4%増) 4510億円(6.5%増)
営業利益 431億1700万円(13.1%増) 710億円(11.2%減)
【主要製品の国内売上(前年度実績) 通期予想、億円】
がん領域 872(787)1789
アバスチン 382(348) 812
ハーセプチン 149(144) 300
リツキサン 120(120) 269
ゼローダ 50(55) 139
タルセバ 56(46) 113
ノイトロジン 28(37) 58
骨・関節領域 330(275) 673
アクテムラ 112(91) 224
スベニール 52(57) 118
エディロール 87(64) 176
アルファロール 25(32) 50
腎領域 215(225) 458
ミルセラ 108(98) 246
オキサロール 58(57) 112
エポジン 33(52) 67
移植・免疫・感染症領域 106(92)173
セルセプト 32(34) 62
ペガシス 37(28) 51
コペガス 17(7) 18
その他領域 130(142) 263
シグマート 33(42) 73
海外 357(278) 825
アクテムラ 265(185) 651
ノイトロジン 77(76) 148
タミフル 71(90) 88