リリーとNBI インスリン製剤ランタスのバイオ後続品 国際共同P3で先発品との非劣性示す
公開日時 2014/07/03 03:50
日本イーライリリーと日本ベーリンガーインゲルハイムはこのほど、日本で承認申請中の持効型インスリンアナログ「ランタス」(一般名:インスリングラルギン)のバイオ後続品(開発コード:LY2963016)について、約1300人を対象とした国際共同第3相試験(P3)で先発品との非劣性が示されたと発表した。承認されれば初のインスリンアナログのバイオ後続品となる。
今回発表された国際共同P3は国内申請にも使われている。この国際共同P3は▽1型糖尿病患者535人が対象のELEMENT-1試験▽2種類以上の経口血糖降下薬で血糖管理不十分な2型糖尿病患者756人が対象のELEMENT-2試験――で構成され、日本は1型糖尿病患者を対象とした試験に参加した。
それぞれベースラインに比べて投与24週後のHbA1c値の低下を評価したところ、ELEMENT-1試験ではLY2963016群で0.4%、先発品ランタス群で0.5%の低下がみられた。ELEMENT-2試験では両群とも1.3%低下が確認された。2つの試験から、ランタスに対するLY2963016の非劣性が確認され、低血糖を含む有害事象の発現率は両群間で同程度だった。
LY2963016は、イーライリリーとベーリンガーインゲルハイムがグローバルで開発を進め、欧米でも申請されている。現時点での承認国はない。両社は国内の糖尿病事業でも提携しており、DPP4阻害薬トラゼンタを共同販促している。申請中のSGLT2阻害薬エンパグリフロジンやこのLY2963016についても承認されれば、同様のスキームで販売する予定。