アストラゼネカ 阪大と開発中止化合物の新適応開発検討へ 循環器領域で
公開日時 2014/03/13 03:51
アストラゼネカ(AZ)日本法人は3月12日、AZが過去に臨床開発を中止した化合物について、新たな適応での開発の可能性を検討する共同研究の覚書を、関連会社のアストラゼネカAB(スウェーデン)と大阪大学が締結したと発表した。通常、医薬品の開発には相当な時間と費用を要するが、同社によると、この取り組みは開発期間の短縮とコストの削減が期待できることから、近年注目されている。
このような、一旦開発中止した化合物の製品化を検討する研究は「ドラッグ・リプロファイリング」といわれる。共同研究では、AZが特定の化合物、及び非臨床・臨床研究の情報を阪大に提供。阪大はこれらの情報を精査し、AZ研究者と協議の上、大学側が有するノウハウを活用して新たな適応に関する非臨床研究を行う。臨床開発の可能性については、阪大と協力してAZが判断を下す。
この覚書は1月30日付で締結、5年間の契約。循環器疾患領域が対象。AZの松尾恭司研究開発本部長は「アストラゼネカグローバルにとって、特に循環器疾患領域での優れた創薬研究の実績を誇る日本の先端科学を活用する良い機会となる」とコメントしている。アストラゼネカが日本の大学とリプロファイリング研究で提携するのは初めて。
<訂正>(13日11:15)
一文目の「循環器疾患領域で臨床開発を中止した化合物」との記述について、正しくは循環器疾患領域に限定したものではありませんでした。下線部の通り訂正します。