稀少難病研究に患者のDNAデータベース構築へ
公開日時 2013/12/19 03:50
アメリカで稀少難病患者のDNA情報データベース構築への動きが活発になっている。米国多発性骨髄腫研究財団(Multiple Myeloma Research Foundatiuon)が40ミリオンドルを投じて進めている研究プロジェクト”COMPASS”の中間発表を行った。研究成果やデータを、大学や企業の研究者のために公開し、米国全体で、研究を加速させるのが目的だ。http://www.themmrf.org/research-programs/commpass-study/
同じく、米国白血病およびリンパ腫学会(The Leukemia and Lymphoma Society)が8.2ミリオンドルを投じ、オレゴン医科学大学、遺伝子解析技術のイルミナ(Illumina, Inc.)社,およびインテル社と共同で患者のDNA情報とその解析結果を蓄積するデータベースを構築すると発表。まずは患者900人分のデータベース化をスタートした。
同学会はこれ以前に1998年以来総計250ミリオンドルの研究資金を集め、このファンドにより24の医薬品の47の治験をサポートし、そのうち6つの医薬品は商品化されている。
患者のDNAデータベースの構築と精緻なデータの一般公開により、従来の特定期間同士の共同研究を基本とする閉じられた研究体制をこえて、研究開発が効率化され、加速されるものと期待されている。上述の2つのデータベースについても、すでに複数の製薬企業の治験計画の検討が進んでいる。
このようなデータベースの構築が可能となってきたのは、DNA解析費用が大幅に値下がりしているためで、動きは今後も拡大していくものとみられている。