AZ 抗血小板薬チカグレロルなど3剤上市で1億ドル投資 MR含め200人増員
公開日時 2013/12/13 03:52
アストラゼネカのガブリエル・ベルチ代表取締役社長は12月12日の記者会見で、抗血小板薬・チカグレロルなど3剤の上市を成功させるため、1億ドルの投資に加え、MRも含めた約200人増員することを明らかにした。増員のうち、営業部門に82%のリソースを割くとしている。
2014年に上市が見込まれる製品は、▽抗血小板薬・チカグレロル(申請:2013年5月)、▽SGLT-2阻害薬・ダパグリフロジン(申請:2013年3月)、▽前立腺がん治療薬・アビラテロン(申請:ヤンセンファーマが2013年7月)―の3剤。ダパグリフロジンは、同社が申請し、12月に小野薬品とコ・プロモーション契約を締結した。アビラテロンは、ヤンセンファーマが開発を進め、10月に同社とコ・プロモーションを締結している。
自社で開発を進めた、チカグレロル、ダパグリフロジンについてベルチ氏は、アンメット・メディカルニーズが高い領域で差別化が可能とした。その上で、成長の機会を確実に成功するための投資を増加する考えを示し、営業要員の増員に加え、パイプライン・提携の強化、米原工場の拡張、大阪本社の移転などを行うとした。
ベルチ氏は、現状が好調であることも説明。日本市場の売上が2013年10月時点で対前年比で11.6%伸長し、国内売上高も2012年の12位から9位に上昇したことを明らかにした。ベルチ氏は、日本市場全体の平均成長率は3.1%増であることを引き合いに、クレストール(一般名:ロスバスタチン)、ネキシウム(エソメプラゾール)、シムビコート(ブデソニド・ホルモテロールフマル酸塩水和物)の「主力3製品がけん引し、市場の成長を大きく上回る成長率を達成した」と述べた。
中でも、ネキシウムの市場浸透が進み、市場シェアが23%(IMSデータ)に達したことを紹介。胃潰瘍や逆流性食道炎(GERD)などでの奏効率の高さが評価されているとし、プロトンポンプ阻害薬(PPI)の中でも、「トップシェアに近づいている」との見方も示した。また、2012年に日本市場で売上高ナンバーワンとなったクレストールについても、順調に推移しているとした。その上で、新薬の投入などで、2013~17年の市場の伸びが4.1%増であることを引き合いに出し、「市場の2倍近い成長を目指す」考えも示した。