武田薬品 開発中の前立腺がん用薬orteronel P3中間解析で主要評価項目未達
公開日時 2013/07/29 05:01
武田薬品は7月26日、前立腺がんで開発中の非ステロイド系アンドロゲン合成阻害薬orteronel(開発コード:TAK-700)について、日本を含む国際共同フェーズ3(P3)試験の中間解析の結果、主要評価項目の全生存期間で有意な改善が認められなかったと発表した。独立データモニタリング委員会の推奨に基づき、盲検解除した。同社は、中間解析結果について今後精査する。
Orteronelは同社の自社創製品。今回報告された国際共同P3試験(ELM-PC5試験)は、化学療法実施中または実施後に進行した転移性・去勢抵抗性前立腺がん患者を対象としたもので、プレドニゾン併用下でプラセボ群とorteronel群を比較した。その結果、orteronel群の全生存期間は、プラセボ群に比べてハザード比が0.894と有意差がなかった(P=0.226)。しかし、副次評価項目である画像上での無増悪生存期間については、ハザード比が0.755と有意に改善(P=0.00029)した。安全性について懸念される点はなかったという。中間解析の詳細は今後発表する予定。
同社のOncology Therapeutic Area UnitのMichael Vasconcelles氏は、全生存期間の改善が確認されなかったことについて「残念に思う」とコメントし、「今後も引き続き、前立腺がんを含むがん患者さんに革新的な治療オプションを提供することに注力していく」と述べた。
orteronelは今回明らかになったELM-PC5試験とは別に、化学療法を受けていない転移性・去勢患者を対象とした国際共同P3試験(ELM-PC4試験)が進行中で、来年9月の終了を予定している。同社は、今回のELM-PC5試験に関する独立データモニタリング委員会の決定が、「ELM-PC4試験及びその他の臨床試験には影響を与えないものと考えている」としている。
なお、アンドロゲンを標的として開発中の前立腺がんの経口治療薬としては、アステラス製薬のアンドロゲン受容体拮抗薬(エンザルタミド)が国内申請中となっている。