治療費の募金もクラウドで
公開日時 2013/05/07 05:00
アメリカの病院医療費は高い。入院が必要な手術ともなれば、なおさらだ.治療が長引けば仕事への影響も必至.退職することにでもなれば、職場で加入している医療保険への加入資格も脅かされかねない。(医療ジャーナリスト 西村由美子)
思いがけず高額の医療費がかかる病気にかかったら?そのような非常事態に直面したとき、最近のアメリカ人のソリューションはクラウド・ファンディング(Cloud Funding:オンライン募金)である。
クラウド/ファンディングは、ウェブを通じて、個人が個人的なニーズにひろく献金/寄付を募るオンラインサイトである。「本を出したい」、「留学したい」、「旅行資金がほしい」などなど、まったくの個人的な希望に賛同してくれる人をクラウド上で広く募り、寄付を依頼するサイトだ。そして、実は、こうしたサイトを治療費の募金に利用する人が増えているのである。
たとえば”GoFund Me(寄付をお願いします)”( http://www.gofundme.com/ )では、あらゆる募金活動の中で、医療費の募金がもっとも多いのである。
サイト・ユーザーの1人Annie Howellは、兄が稀なケースの腎臓がんと診断され、手術だけで$125,000かかると聞かされたとき、すぐに”GoFndMe”に募金アカウントを開いた。Annieは見知らぬ人がすぐに寄付をしてくれるとは思えなかったので、最初は友人、知人に声をかけ、全員に、さらに知り合いにも頼んでほしいとお願いした。結果、Annieはこの募金サイトから合計$144,000の寄付を集めることができた。寄付してくれた人はあわせて1583人にものぼった。
”GoFndMe”にアカウントを開くことができるのはフェイスブックのユーザーのみに限定される。換言すれば、フェイスブックがユーザーの人物保証をするという仕組みである。募金が成功したら、ユーザーは”GoFndMe”に募金総額の5%を手数料として支払う。