第一三共 抗血小板薬プラスグレル 13年度上半期にも国内申請へ
公開日時 2013/03/15 04:00
第一三共は3月14日、抗血小板薬プラスグレル(一般名)の国内フェーズ3試験で「所期の目的を達成する成績が得られた」として、経皮的冠動脈形成術(PCI)施行の心疾患患者を対象として2013年度上半期に日本で承認申請すると発表した。PCI施行の急性冠症候群(ACS)患者を対象にしたフェーズ3(P3)に加え、今回、待機的PCI施行患者を対象にしたP3でも所期の目的を達成する成績が得られたことを受けて明らかにしたもの。
プラスグレルは同社と宇部興産が創製した経口抗血小板薬であるが、海外の開発が先行した。海外では同社とイーライリリーが共同開発し、2009年に欧州で承認されて以降70カ国以上で使われている。適応はACS患者のアテローム血栓性イベント抑制。昨年、PCIなど血行再建術を施行しないACS患者を対象にした国際P3の結果が発表されたが、同薬の有意な有効性が示されなかったため、申請は見送られた。
国内では、昨年9月にPCIを受けるACS患者を対象にしたP3(試験名PRASFIT-ACS)で主要評価項目が「初期の目的を達成した」ことを第一三共が明らかにしていた。この結果は今週末に開催される第77回日本循環器学会のLate Breaking Clinical Trialsで発表される。
今回新たに発表したP3は、待機的PCI患者を対象としてアスピリン併用時のプラスグレルまたはクロピドグレルを24~48週間投与し、有効性と安全性を検証した二重盲検ランダム化比較試験(試験名PRASFIT-Elective)。主要評価項目はPRAFIT-ACSと同様の▽心血管死▽非致死性心筋梗塞▽非致死性虚血性脳卒中。詳細については今後、学会や関連学術誌で発表するという。
プラスグレルについては両試験のほか、虚血性脳血管障害を対象にしたP3も進行中で、14年度に終了予定となっている。