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頭頸部がんに初の分子標的治療薬アービタックス承認 予後改善に期待感

公開日時 2013/01/24 04:00

メルクセローノとブリストル・マイヤーズ(BMS)は1月22日、頭頸部がんの適応を追加した分子標的治療薬アービタックス注射液(一般名:セツキシマブ遺伝子組換え)に関して、都内で記者会見を開いた。アービタックスは、シスプラチン以降30年ぶりに頭頸部がんで全生存期間(OS)の延長が確認された薬剤。その点を両社は訴求し、同剤による治療の普及を図る。現在、大腸がんの適応で情報提供活動をしているが、その提供先医療機関で頭頸部がん治療施設の約9割がカバーできているという。

会見では、国立がん研究センター東病院頭頸部内科長の田原信氏がアービタックスの位置づけについて説明した。海外のフェーズ3では、局所進行がんに対して放射線療法へのアービタックスの追加でOSの19.7カ月の延長が、再発転移がんでは従来の化学療法への同剤の追加でOSの2.7カ月の延長が確認されており、国内でも同様の結果が示されている。

それら治験結果を踏まえ同氏は、積極的な治療で治癒を目指す局所進行の段階では手術や放射線、従来の化学療法に加えた新たな治療選択肢になると指摘。再発・転移の段階では従来の化学療法への同薬の追加がファーストラインの標準治療になるとの見解を示した。

頭頸部がんの国内推定患者数は3万5000人で全悪性腫瘍の5%程度であるが、生活習慣や被ばくの影響から今後増加していくものと推測されている。なお、アービタックスは年々売上を伸ばしてきており、11年の世界売上額は8億5500万ユーロに上る。

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