米バイオ・医薬品産業 17州で530億ドルの経済貢献:PhRMAデータ
公開日時 2012/11/29 04:00
米バイオ・医薬品産業の米経済全体への貢献についてはしばしば指摘されるところだが、地域経済への貢献にも大きな役割を果たしていることが、米国研究製薬工業協会(PhRMA)が11月13日に発表した新規のデータで明らかになった。
同データは、コロラド、アイオワ、ミシガン、ニュージャージー、ニューヨーク、オハイオ、ペンシルバニア、バージニア、ワシントン、マサチューセッツ州など17州で、ビジネスを展開する17社のバイオ・医薬品企業のデータを基礎に、各州での経済貢献を分析した。その結果、医薬品を患者に届けるという製薬企業のミッションを果たすプロセスでのサービスおよび供給業務で、17州で約530億ドル(4兆2400億円、1ドル=80円換算)が消費されていることが分かったとしている。
調査コンサルタント会社Battelle Techinology Partnership Practiceの2011年の報告書は、米国のバイオ・医薬品部門の経済全体への影響を年9170億ドル(直接消費3820億ドル、間接消費5350億ドル)として数量化、同部門は、直接的には約65万人を雇用、さらに周辺産業である臨床試験関連業務、規制支援業務、IT、製造・設備業、委託製造業、運輸業、広告・マーケティング業。保険業、不動産業などを含めるとその雇用は約400万人に達するという。今回の調査では、このような経済貢献が、州レベルで改めて明らかにされたとしている。
PhRMAのJohn Castellani理事長兼CEOは、「今回の知見は、バイオ・医薬品産業が、(州という)地域社会を通じて、相互連関性を持っていることを示したもの」と述べたうえで、「経済に対するわが業界の貢献は、患者のための医薬品の生産と供給を目的に、幅広いテクノロジーの開発や応用、医薬品の研究および開発への努力に不可欠な広範囲のビジネスばかりでなく、現在進行中の景気回復へと間口を広げている」と話し、経済全体への貢献が拡大しているとの見方を示した。