印ランバクシー 米でリピトールGEを回収
公開日時 2012/11/28 04:00
インド・ランバクシーラボラトリーズ(第一三共子会社)の米子会社ランバクシー・ファーマシューティカルズが、米国で高脂血症薬リピトール(アトルバスタチン)のジェネリック医薬品(GE)の一部ロットの製品回収を行った。ランバクシー・ファーマシューティカルズが11月25日発表した。
回収の理由は、一定のバッチからガラスの微片(大きさ1mm以下)が発見されたためという。回収された製品は、アトルバスタチン10mg錠、20mg錠、40mg錠。80mg錠は対象となっていない。同社では現在調査中で、調査に2週間かかると話している。汚染された錠剤による人的被害は報告されていない。どのような経緯で発見されたかについては明らかにしていない。
ランバクシーは、2011年ファイザーのリピトールの特許満了後、最初のGEとして発売、半年で約6億ドルを売上、市場の60%を獲得しているといわれるベストセラーだけに、米ロイター通信によれば、証券アナリストらは今後の品不足を心配しているという。
ランバクシーは、2008年から2009年にかけて、インド工場でのGMP違反問題や虚偽データ問題でFDAから30品目の輸出禁止措置を受けたほか、米司法省に約5億ドルの和解金を支払うことに合意することやFDAに設備改善計画やコンプライアンス順守を約束するなどしていた。
今回の問題で、ランバクシーが、FDAとの約束を適正に履行していたかどうかが問われることになりそうだ。一方、米経済誌「Forbes」は、ランバクシーの責任ばかりでなく、FDAが医療費を考慮して、GEを簡単に承認することもこのような問題を生む原因と指摘し、製品回収問題が発生するならば、今後のGEの審査を慎重にすべきと主張している。