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厚労省・流改懇 ワーキングチームで流通改善の個別課題議論へ

公開日時 2012/03/26 04:01

厚生労働省の「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」(流改懇)が3月23日に開かれ、「ワーキングチーム」(WT)を設置し、医薬品の個々の価格を踏まえない「総価取引」などの流通問題の改善策を議論することで概ね合意した。製薬企業と医薬品卸間のいわゆる川上、医薬品卸と医療機関・調剤薬局間の川下の問題について、個々の改善策を議論していく土壌が整った。

流改懇は07年、「総価取引」のほか、製品の価格が決まらないまま納入を続ける「未妥結・仮納入」、医薬品の個々の価格を踏まえない仕入れ価格よりも納入価格の方が低い「売差マイナス」を是正すべきとの緊急提言を取りまとめており、これに沿って流通改善に向けて取り組みが進められてきている。しかし、総価取引の一部が単品単価取引に移行するなど一定の成果が見られるものの、10年度に新薬創出加算が試行導入されたことや卸間競争の激化で、妥結までの時間が長引くといった状況が出てきていた。

会合では緊急提言を受けた取り組み状況について、卸側の長谷川卓郎委員(日本医薬品卸業連合会)が報告した。日本保険薬局協会との間で、長期にわたる未妥結仮納入の是正に向けては、契約上条件の事前明示と、半期、もしくは四半期ごとに取引基本契約書に基づく覚書を締結することで意見が一致。総価取引の是正に向けては、特許期間中の新薬、長期収載品などのカテゴリーに分けた単品単価交渉を進めることに前向きに取り組む方向性を共有したことを説明した。

メーカーに対しては、一次売差マイナスについて意見交換を進めているとし、医薬品卸として、市場実勢価格を考慮した仕切価の設定や、カテゴリー別仕切価交渉への移行を要望しているという。その上で、流通改善を進めるには、「流改懇の関与の下に実質的な意見交換を行うことが望ましい」と、前回会合同様、WT設置の必要性を訴えた。

メーカー側の加茂谷佳明委員(日本製薬工業協会)は、市場実勢価格を考慮した仕切価設定になっていないとの卸の主張に、メーカー各社は、製造原価や競合品、後発品の有無等を踏まえ、仕切価を設定しているためだと理解を求めた。その上で、「一概に市場実勢価格を無視して設定しているわけではない。医薬品卸の主張と若干の意見の相違があるので、ギャップを埋められるよう意見交換したい」と応じた。カテゴリー別仕切価交渉には言及しなかった。

厚生労働省は、卸側の要望を踏まえ、同日の会合でWTの設置を提案した。長瀬輝諠氏(代理出席:日本精神科病院協会)からは、「今日の意見交換も前回会合の内容と代わり映えしないので、WTの設置には賛成したい」など前向きな声ばかりで、WTを設置する方向で意見集約した。

WTは、流改懇委員外からの選出も可

WTは、取引当事者から提案のあった課題について、座長などが中心となり検討事項を決定する。進捗状況については、流改懇で必要に応じて開催する準備作業委員会などに報告する。WTメンバーは、その都度、座長と取引当事者が相談して決定するが、流改懇の委員以外でも参加可能にする。


 

 

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