薬食審・第一部会 新薬4剤を審議
公開日時 2012/02/27 04:02
厚生労働省の薬食審医薬品第一部会は2月24日、新薬4剤の承認の可否について審議し、いずれも承認を了承した。この中には、日本イーライリリーが開発した2型糖尿病治療薬でGLP-1受容体作動薬の週1回製剤がある。了承された4剤は順調にいけば、3月にも正式承認される。
【審議品目】
▽キックリンカプセル250mg(一般名:ビキサロマー、アステラス製薬):「透析中の慢性腎不全患者における高リン血症の改善」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。
食物中のリンを吸収し、血中のリンの濃度の上昇を抑える。海外承認なし。
▽ミニリンメルトOD錠120μg、同240μg(デスモプレシン酢酸塩水和物、フェリング・ファーマ):「尿浸透圧あるいは尿比重の低下に伴う夜尿症」を効能・効果とする新投与経路医薬品。再審査期間6年。海外では60カ国以上で承認。
▽ビデュリオン皮下注用2mg(エキセナチド、日本イーライリリー):「2型糖尿病」を効能・効果とする新剤形・新用量医薬品。再審査期間は残余期間(平成30年10月26日)。
同社が販売するGLP-1受容体作動薬バイエッタ皮下注と同成分の徐放製剤。バイエッタが1日2回投与なのに対し、ビデュオリンは週1回。海外では欧州で11年6月に、米国では12年1月にそれぞれ承認された。なお、他社のGLP-1受容体作動薬にはノボノルディスクファーマのビクトーザ皮下注があり、これは1日1回。
▽アポカイン皮下注30mg(アポモルヒネ塩酸塩水和物、協和発酵キリン):「パーキンソン病におけるオフ症状の改善」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾患用医薬品。再審査期間10年。海外では20カ国で承認。
同剤の対象は主に進行期で、既存薬が効きにくくなっている患者。パーキンソン病の症状がコントロールされている状態を指すOn時間と、薬剤が効いておらず震えやこわばりなどの症状が再び現れる状態を指すOff時間があるが、Offの症状を短時間のうちに改善する速効性の短時間作用型の薬剤として開発された。対象患者は1万人程度とみられる。
【報告品目】
なし