FDA 腎細胞がん治療薬axitinibを承認
公開日時 2012/02/02 04:00
米食品医薬品局(FDA)は、1月27日、ファイザーの腎細胞がん治療薬Inlyta (axitinib) を承認したと発表した。
同剤は、血管内皮細胞(VEGF)受容体1、2および3を選択的に阻害する分子標的薬で、適応は、既存の薬剤で無効な進行腎細胞がん(RCC)。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のRichard Pazdur血液学・腫瘍学製品部長は、同剤が2005年以降、転移もしくは進行腎細胞がん治療薬で承認された薬剤で7番目になると指摘したうえで、「この短い期間でかつてないレベルの薬剤が開発されてきたことは転移腎細胞がんに対する治療パラダイムを大きく変えるもので、患者に複数の治療オプションを提供するもの」と同剤承認を歓迎した。
2005年以降では、腎細胞がんには、2005年にソラフェニブ、2006年スニチニブ、2007年テムシロリムス、その後2009年にはエベロリムス、ベバシズマブ、パゾパニブなどが承認されている。Inlytaの有効性・安全性は、723例の前治療の経験のある進行腎細胞がん患者を対象に無作為化オープンラベル多施設試験で実施された。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)。同剤のPFSは、標準治療のソラフェニブの4.7か月に比べ、2か月の改善を示し、6.7か月となった。
臨床試験で20%以上の患者に発現した主な副作用は、下痢、高血圧、疲労感、食慾不振、悪心、発声困難、手足症候群、体重減少、便秘など。