FDA 初の骨髄線維症治療薬Jakafiを承認
公開日時 2011/11/18 04:00
米食品医薬品局(FDA)は11月16日、骨髄線維症を適応とした初めての治療薬Jakafi(ruxolitinib)を承認した。骨髄線維症は、骨髄が腫瘍細胞により線維化、造血機能が障害され、肝臓・脾臓で造血されるようになり、肝・脾の腫大を来す。JAK (Janus Kinase)1および2遺伝子が関与している。希少疾患の指定を受けている。
同剤は、JAK1およびJAK2遺伝子の異常なシグナル伝達を阻害する。FDA医薬品評価研究センターのRichard Pazdur血液・腫瘍製品部長は、「本剤も最近の疾患における分子レベルでのメカニズムが分かったことを応用できた薬剤の一例だ」と画期性を評価した。
同剤の安全性・有効性は、528例の骨髄線維症患者を対象とした2本の臨床試験で検証された。プラセボあるいはヒドロキシウレアまたはグルココルチコイド服用群と比較、Jakafi服用群では、脾腫の大きさで35%以上の縮小や腹部不快感、寝汗、掻痒、骨・筋肉痛などの骨髄線維症関連症候群の症状が50%以上減少したという。
同剤は優先審査の指定を受け、「処方せん薬ユーザーフィー法」(PDUFA)の審査終了予定日の12月3日よりも早く承認された。同剤は、Incyte Corp(デラウェア州ウィルミントン)の製造。同社は米国外での権利についてはノバルティスにライセンスしている。