FDA 初の臍帯血由来血液製剤を承認
公開日時 2011/11/15 04:00
米食品医薬品局(FDA)はこのほど、米国初の臍帯血由来の血液製剤である造血前駆細胞臍帯(HPC-C)細胞療法HEMACORDを承認した。
HEMACORDの適応は、造血システムに障害のある患者での造血幹細胞移植。臍帯血移植は一定の血液がん、遺伝的代謝および免疫系疾患などに実施されてきた。FDAのKaren Midthun生物製剤評価研究センター長は、「臍帯血造血前駆細胞療法は、血液がん、遺伝的代謝疾患などの患者に対する潜在的な救命治療オプションだ」と同剤の登場を歓迎した。
臍帯血は移植で使用される造血前駆細胞(HPC)の3つのうちの1つ。他の2つは骨髄と末梢血。HPCが1度体内に注入されるとHPCは骨髄に移動、分化・成熟する。成熟細胞が血流に移動すると免疫機能も含め、血球数やその機能を部分的あるいは全面的に回復させる。FDAは2009年に造血機能再建を目指した臍帯血由来の細胞療法についてのガイダンスを発行している。
HEMACORDのラベルには、枠組み警告として、GVHD(移植片対宿主病)、移植後症候群、生着不全など発症のリスクが記載された。同剤のリスク・ベネフィットの評価、施設の選択、服用については、造血幹細胞移植の経験のある医師の指示のもとで行なうことが義務付けられた。同剤は、ニューヨーク血液センター(ニューヨーク市)の製造。