FDA 未承認薬などの緊急時使用許可権限の拡大
公開日時 2011/09/16 04:00
米国の「Pandemic and All-Hazards Preparedness Act」の改正で、FDAが未承認薬の使用あるいは承認薬の未承認使用を拡大させる権限を持つことになる可能性がある。
保健福祉省(HHS)のNicole Lurie次官は、今回の改定では、公衆衛生上の緊急時における医療的対応の承認および供給システムの合理化(緊急時使用権限:EUA)を計画していると話している。米下院のエネルギー・商業委員会(HECC)は、7月28日に、同法の改定では、FDAの承認を迅速化する問題など医療的対応のための規制手続きの調整を行うと報告している。
Lurie次官は、今回の法改正で、製品の事前準備を促進し、パンデミックあるいはその他の緊急時に、政府の承認待ちによる遅れを回避させる目的があるとしている。FDAは、現在、吸入による炭疽菌の暴露後予防薬としてのドキシサイクリン経口剤の使用を認めたEUAを行使中だ。FDAは、2008年に国土安全保障省(DHS)が炭疽菌による攻撃が高まったと決定したため、EUAを行使した。その後、EUAは2009年、2010年、そして2011年7月に更新されている。
EUAでは、炭疽菌攻撃の前にドキシサイクリンが供給されるように関係者に同剤の備蓄を求めている。最近では、新型インフルエンザ(H1N1)の発生時にタミフル、リレンザ、ペラミビルおよび関連体外診断薬の備蓄・使用を認めたEUAがある。
同法で規定される新規の規制マネジメント計画では、現行の規制状況及び承認手続きの評価やFDAが臨床試験の規模・デザインなどに合意する際のサポートデータについてのFDAの意見発表など研究開発に係る問題についても提言している。
(The Pink Sheet 9月5日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから