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FDA諮問委 アバスチンのHER2転移性乳がん一次療法 適応取消しを勧告

公開日時 2011/06/30 16:00

米FDAの抗腫瘍剤諮問委員会は6月29日、がん分子標的薬・アバスチン(ロシュ/ジェネンテック)のHER2陰性転移性乳がん一次治療の適応について「明確な効果は認められず、出血などの副作用リスクが上回っている」として承認取り消しを6対0で勧告した。まだ、FDAの最終判断は残っているものの、今回の勧告で最終的な承認取り消しの可能性は高まった。最終的に適応取り消しに至った場合、ロシュ・グループは10億ドル前後の売上減になるとも指摘されている。


アバスチンについては08年、FDAが進行性HRT2陰性乳癌に対するパクリタキセルとの併用療法を迅速承認。その条件として、追跡調査実施を義務付けた。


これに基づき、ロシュとジェネンテックは、AVADO試験、RIBBON-1試験を実施してその結果をFDAに提出。しかし、両試験の結果では全生存期間(OS)の改善は認められず、無増悪生存期間(PFS)約1カ月(中央値)しか生存期間延長は認められなかった。


昨年7月20日に開催されたFDA抗腫瘍薬諮問委員会は、アバスチンの進行性HER2陰性乳がんの一次治療薬として抗がん剤パクリタキセルとの併用について承認取り消しを勧告。これを受けてFDAは当初9月に最終判断を下す予定だったが、これを90日間延長し、昨年12月16日に同薬がOSを延長せず、病勢進行を遅らせるなどリスクを上回るベネフィットないとの理由で同適応での承認取り消しを提案した。


しかし、これにジェネンテックが異議を唱えたため、FDAは6月28~29日の日程で公聴会を開催していた。


今回の決定についてジェネンテックのHal Barron上級副社長は「諮問委員会の勧告には非常に失望している。既に治療選択肢の限られた不治の病を患う女性にとって重要なこの薬剤をFDAが取り除くことがないように望む」とコメントした。

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