FDA 腎移植免疫抑制剤Nulojixを承認
公開日時 2011/06/17 04:00
米食品医薬品局(FDA)は6月15日、ブリストルマイヤーズスクイブ(BMS)の腎移植免疫抑制剤Nulojix(belatacept)を承認した。
同剤の適応は、腎臓移植を受けた成人の急性拒絶反応の予防。basiliximab、mycophenolate mofetil、など他の免疫抑制剤およびcorticosteroidとの併用下で用いる選択的T細胞共刺激遮断薬だ。
Nulojixの有効性・安全性は、2件のオープンラベル無作為化多施設臨床第3相試験で検証された。1200例を対象に、Nulojix投与群とcyclosporine投与群を比較し、Nulojixの急性臓器拒絶反応の予防について安全性と有効性が示された。
同剤のラベルでは枠組み警告として、白血球細胞の成長が制御不可能となるがんの一種、臓器移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)のリスクが増大する可能性が記載された。また、同じ枠組み警告では、他の免疫抑制剤と同じように、重篤な感染症やがんのリスクについて記載された。
一般的な副作用は、貧血、便秘、腎および膀胱の感染症、脚のむくみなどとされている。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のEdward Cox抗菌剤製品部長は、「Nulojixは他の免疫抑制剤との併用下で用いることで、免疫システムを管理するために役立つ。腎移植患者にとって、新たな治療オプション」と同剤の登場を歓迎した。
米保健福祉省(HHS)管轄下の臓器調達・移植ネットワーク(OPTN)によれば、米国では現在、8万9000人が腎移植を待機しているという。