ジェネンテック、どう反論:アバスチンのヒアリング
公開日時 2011/03/03 04:00
米食品医薬品局(FDA)が、米ジェネンテックの抗がん剤アバスチンについて転移性乳がんの適応を取り消した問題で、同社に見解を述べるヒアリングの機会を与えたことで、同社がどのような主張をするかに注目が集まっている。
ヒアリングは、FDAの腫瘍薬諮問委員会(ODAC)の席上開催されるが、FDAのMargaret Hamburg長官がヒアリングの座長として指名したKaren Midthu氏は、「ジェネンテックは、同委員会がこの問題を検討するのにふさわしくなく、乳がん専門家で構成される客観的な諮問委員会で行うべきと主張している」と述べている。ジェネンテックは、ODACは乳がん専門家が少ししかいないと指摘しているという。
しかし、Midthun氏は、ODACメンバーにコンサルタントの追加を考えていないとしている。というのも「すでに乳がん分野の多数の専門家は意見を表明し、また、利益相反の問題で参加できぬ専門家もいるという現実に直面している」と人材探しの困難さを明かした。
ヒアリングでは、ジェネンテックは、FDAの転移乳がん治療の第1次選択薬の新規基準の問題点および過去の乏しいデータに基づいた抗がん剤の承認についての問題点などを指摘すると思われる。さらに、ジェネンテックは、今回の乳がん適応加速承認の根拠となったE2100試験のオリジナルデータを擁護する意向。また、同社は新たに確認試験の実施すると申し出、FDAと協議していたことも主張する見込み。
ヒアリングの日程は6月28-29日で、同日はもともとODACの開催日。たまたま米国バイオ産業協会(BIO)総会開催日と重なった。28日はFDAとジェネンテックのプレゼンテーション、29日は委員会の勧告が行われる予定。
Midthun氏は、速やかに問題解決を図るようにFDAとジェネンテックが話し合い、論争点を明確にする共同声明を3月23日までに作成することを求め、同時に、双方は4月20日までに各々の主張を文書で提出することも要請した。
(The Pink Sheet Daily 2月24日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”