Ticagrelor 欧州で正式承認へ
公開日時 2010/12/13 04:00
アストラゼネカは12月10日、抗血小板薬・Ticagrelorが欧州委員会で正式承認されたと発表した。適応は、「成人急性冠症候群(ACS)患者におけるアテローム血栓症予防」。9月23日に欧州委員会(CHMP)から受けた承認支持の勧告を受けたもの。これにより、EUに加盟する27カ国、欧州経済地域の3カ国で販売が可能になる。同社は、EU加盟各国と薬価・保険償還の交渉を進めており、2011年下半期に上市する予定としている。
Ticagrelorは、クロピドグレルなどと同様に、血小板のADP受容体を阻害することで血栓の形成を抑制する薬剤。すでに活性代謝物であることから、効果発現の高さや有効性の高さが期待されている。
今回の承認は、日本を除く世界43カ国で実施された国際共同フェーズ3「PLATO(A Study of PLATelet Inhibitation and Patient Outcomes)」の結果に基づくもの。同試験では、中等度~高度ハイリスクのACS患者1万8624人を対象に試験を実施され、抗血小板薬・クロピドグレルを上回る心血管イベント発症抑制効果が示されている。
現在、米国を含む18カ国で審査中。米国では、7月29日に開かれた米国・諮問委員会のAdvisory Committeeですでに承認勧告を受けている。正式承認の期限は12月16日で、近く正式承認されることが見込まれる。
同社のデビッド・ブレナンCEOは、「いち早くこの重要な薬を患者さんに届けるため、適切な医療機関や医師、その他評価機構と協力していく」とコメントしている。