中間選挙の結果はPhRMAにとって吉か凶か
公開日時 2010/11/25 04:00
米中間選挙の共和党が下院を制したことで米国研究製薬工業協会(PhRMA)は、新任のJohn Castellani CEOが10年以上ワシントンのロビーイストを務めていたこともあって、共和党議員と協力、オバマヘルスケア改革法における業界に不利な面をもとに戻す考えだ。
PhRMAの優先課題は、メディケアで使用される薬剤価格に大きな影響を与える償還政策を決定する独立支払い諮問委員会(IPAB)の権限を制限させることだ。IAPBは、同改革法で新設が予定されている。そのため、Castellani CEOは、中間選挙で再選されたDave Camp下院議員(共和党、ミシガン州選出)がヘルスケアを担当する下院委員会の委員長就任予定で、同議員と協力する意向だ。
共和党幹部は同法の撤回をめざし、代替案に代えることを望んでいる。しかし、上院では民主党が過半数を掌握しているため、同法の撤回の見込みは可能性が低い。しかも、オバマ大統領が署名する可能性はない。しかし、オバマ大統領は、「国民は同法を蒸し返すことを望んでいない」としながらも、修正にはやぶさかでないと話している。
Camp議員は、同法がメディケード・パートDで受給者にリベートを増やすことやHHS(保健省)にメーカーとメディケアの価格交渉を認める件に反対するなど業界の立場に立っている。また、業界は、同法とは別途、PDUFA(処方せん薬ユーザーフィー)改定などでFDAの権限が強化されることに懸念を持っており、その行方を注視している。
PhRMAは、11月3日に中間選挙結果について声明を発表したが、そのなかでは、改革の詳細には言及せず、製薬業界が米国の経済と雇用に大きく貢献していることを連邦議会議員は認識すべきと訴えた。
(The Pink Sheet 11月8日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから