約３万人の医師会員制コミュニティサイト「MedPeer」を運営するメドピアはこのほど、失神の診察要請で最初に何科が診察すべきかとの調査結果をまとめた。トップは一般内科などプライマリケア医で63％、次いで循環器内科が17％、神経内科が13％、その他が７％―となった。プライマリケア医との回答理由には、まずは「まずは何が疑われているのか診てもらってから専門家に紹介した方が良い」（40代、呼吸器内科）など、先ずは総合的な判断が必要との意見が多かった。

調査は９月20日～10月３日にインターネットで実施した。有効回答数は1259件。この調査は会員医師が別の会員医師に質問して回答を求めるもの。質問は、「失神を起こして診察要請があった場合には何科が診察すべきか。迷走神経反射や起立性低血圧等による症例が大多数で、不整脈等による症例もあると思うが」という内容。４つの選択肢を提示して、理由とともに答えてもらった。

プライマリケア医と回答した医師からは、「失神の原因は必ずしもすぐに特定し難い。プライマリで診て、必要に応じて専門家へ紹介できるのが理想」（30代、脳神経外科）、「まずは総合診療医師が診察し、状況、身体所見から必要な診療科にコンサルするのが一番患者のためになる」（50代、脳神経外科）、「病歴である程度絞り込めるので、総合内科医が振り分けるのが望ましい。そうでないと不必要な検査が患者の不安を増強する」（40代、循環器内科）――などの回答理由が寄せられた。ただ、「本来であればということでプライマリケア医としたが、正直これに対応できるプライマリケア医がどれだけいるのか疑問」（40代、脳神経外科）との意見も見られた。

一方、循環器内科と答えた医師からは、「生命のリスクが大きい心臓性の失神なので、循環器で先ず診てもらえれば良い」（50代、一般内科）、「失神を生じた場合、素早い対応を必要とする循環器系の精査が一番重要」（50代、一般内科）、「まず生命にかかわる疾患の除外が必要」（40代、一般内科）など、先ず緊急治療が必要な心疾患を調べるため循環器内科にすべきとの回答が多かった。また、一般内科医が循環器内科を選択している傾向もみられた。

「神経内科」との回答では、「全身を診るという点では神経内科が先ず診て、必要に応じて紹介する形が良い」（30代、神経内科）、「神経内科があれば、やはりそこが一番かと思う」（40代、一般内科）などの回答理由がみられた。