処方変更「決め手」は医療情報メディア、オンライン講演会 メドピアが「製薬業界NPS調査」を公表
公開日時 2023/12/18 04:53
メドピアとエモーションテックは12月15日、「製薬業界NPS調査レポート2023」を発表した。コロナ禍を経て製薬各社がオウンドメディアやウェビナーをはじめとしたデジタル施策に注力するなか、医師側の処方意向にも変化が見られ始めている。「実際に処方順位の変更をした医師」の“決め手”となったチャネルをみたところ、プライマリ領域では「医療情報メディア」が第1位(その他を除く)となった。これに対し、オンコロジー領域とスペシャリティ領域では「オンライン講演会」がトップにランクされた。また、「処方順位を変更した医師」が情報収集に用いたチャネルを聞いたところ、第1位はオンライン講演会(43.1%)で、第2位に担当MR(リアル/対面、現地での説明会 42.5%)がランクされた。
調査は、23年10月2日~9日にかけて、医師専⽤コミュニティサイト「MedPeer」の登録会員のうち、処方による治療を行っている医師を対象にネットで行った。有効回答数は3269件。
◎「最初」に情報収集したチャネル 各領域とも「医療情報メディア」がトップに
処方順位を変更する際、検討時に「最初」に情報収集したチャネルを聞いたところ、プライマリ領域では「医療情報メディア」(MedPeer、エムスリー、ケアネット、日経メディカルなど)での製薬企業からの情報提供が全体の31.3%でトップ。次いで、「担当MR」(ディテール、メール、施設説明会など)が27.1%となった。一方、オンコロジー領域では、「医療情報メディア」が19.5%でトップ、次いで「オンライン講演会」が17.9%となった。スペシャリティ領域では「医療情報メディア」が22.0%でトップ、次いで「リアル講演会」が16.3%となった。
◎「決め手」となったチャネル プライマリとオンコロジー・スペシャリティに違い
一方、処方順位を変更する際、検討時に「決め手」となったチャネルを聞いたところ、プライマリ領域では「医療情報メディア」が22.0%、次いで「担当MR」が21.6%だった。これに対し、オンコロジー領域は「オンライン講演会」が20.3%でトップ、次いで「リアル講演会」が15.4%。スペシャリティ領域も「オンライン講演会」が17.9%でトップ、次いで「リアル講演会」が17.1%となり、プライマリ領域とは異なる傾向を示していることが分かった。
◎処方変更時に情報収集したチャネル オンライン講演会、リアルMR、医療情報メディアの順
処方変更の「決め手」となった薬剤情報について聞いたところ、プライマリ、オンコロジー、スペシャリティの全領域の第1位が「有効性」だったのに対し、第2位はプライマリ領域の「臨床現場での症例」に対し、オンコロジー領域とスペシャリティ領域はともに「安全性」となった。
実際に処方変更時に情報収集したチャネルについては、「オンライン講演会」が43.1%、「担当MR」(リアル/対面)が42.5%、「医療情報メディア」が38.1%、「リアル講演会」が30.1%、「文献・論文」が22.9%、「同僚や専門医」が18.8%。「学会のWebセミナー、講演、セミナー」が17.5%、「担当MR」(リモート面談、リモート説明会等)が14.8%などとなっていた。このほか処方順位変更までの期間については、いずれの領域でも6割以上の医師が「3か月未満」に意思決定していることも分かった。