英国製薬工業協会「NICEは薬価を設定すべきでない」
公開日時 2010/08/04 04:00
SCRIP(7月23日付)によると、英国製薬工業協会(ABPI)のRichard Barker理事長は、NHS(国民保健サービス)改革の一環で、英政府が2014年にPPRS(医薬品価格規制制度)に代わってVBP(価値に基づいた価格設定)制度の導入を計画していることについて、その価格設定をNICE(英国立臨床評価研究所)が行うべきでないとの見解を示している。
計画では、NICEが薬剤のQALY(生活の質調整年)に基づき薬価を設定することが提案されている。これに対し、Barker理事長は、QALYは薬剤の持つ全ての価値を考慮したものではなく、服薬後の重症度の軽減や、職場復帰による医療経済的観点などを考慮していないと指摘。「(薬剤の持つ)全ての価値が価格設定プロセスの一環として考慮されるべき」との考えを示し、NICEによる狭量なQALYの安易な使用を批判した。
ABPIは、「改革の設計」については今後も政府に建設的に協力を続行する意向を示し、VBPについては、今年後半には「密度の濃い原則」が提示され、協議が行われることを期待するとしている。