“その研究は、誰のため?”─臨床倫理と利益相反─
公開日時 2010/06/29 00:00
独立行政法人国立病院機構東京医療センター臨床研究センター臨床疫学研究室長尾藤誠司本シリーズは、現場の臨床医に医療情報を伝達するMRが、プロフェッショナルとして診療エビデンスを理解し、解釈し、実際の診療に役立てるような形で、医師と適切にコミュニケーションをとることを支援するための技術について解説してきました。今回はその最終回です。最終回にある意味ふさわしいかもしれませんが、臨床研究に関する倫理的な側面、さらに、最近よく取り上げられるようになってきた利益相反について説明したいと思います。◎臨床と臨床研究の違い臨床研究を行う主体となる人間にとって、避けることのできない重要な事項に、研究に関する倫理的な検討があります。通常、臨床研究を行う上では、一部の例外を除きすべからく施設の倫理審査委員会への申請...