中国医薬品市場 11年に世界3位の規模に IMSヘルス
公開日時 2010/03/29 04:01
IMSヘルスはこのほど、世界各国の医薬品市場規模予測を発表し、中国が2011年に世界3位の市場規模になることを明らかにした。中国は06年時点で8位、09年時点では米国、日本、フランス、ドイツに次ぐ5位だったが、11年には米国、日本に次ぐ規模になる。
同社の分析によると、8兆ドル超のGDPを誇る中国では、世界の製薬企業が供給する新製品の需要が主要都市部で増加しているものの、中国の市場成長の大半は引き続き、中国国内の企業が製造販売する後発品が担うという。
一方、同社は、高成長している市場を「医薬品新興国市場」と位置付け、これまで7か国を指定していたが、今回17か国に増やした。13年の全世界の医薬品市場の成長率に対して、この17か国が48%分貢献するとしており、世界の医薬品市場の成長に新興国が大きく影響を与えるとした。
ただ、17か国の中でも将来の成長性や成長率にバラツキがあるため、同社は3つのカテゴリーに分けた。成長著しい「第1フェーズ」には中国を位置づけ、これに次ぐ成長率の「第2フェーズ」にブラジル、ロシア、インドの3か国を挙げた。ブラジルとロシアは近年2けた成長を達成。インドも中流階級の人口増加や知的財産保護政策などが追い風になっている。
急成長中か急成長の余地が大きいものの不確定要素も多い「第3フェーズ」には、ベネズエラ、ポーランド、アルゼンチン、トルコ、メキシコ、ベトナム、南アフリカ、タイ、インドネシア、ルーマニア、エジプト、パキスタン、ウクライナ――の13か国を挙げた。「全てに複雑で活気があり、急激に変化しやすい点が共通している」と分析している。なお、これまで医薬品新興国と位置付けていた韓国は、現在のGDP水準に基づき、「先進国」に変更した。
●世界の医薬品市場規模ランキング |
|
2009年 |
2011年 |
2013年 |
1位 |
米国 |
米国 |
米国 |
2位 |
日本 |
日本 |
日本 |
3位 |
フランス |
中国 |
中国 |
4位 |
ドイツ |
ドイツ |
ドイツ |
5位 |
中国 |
フランス |
フランス |
6位 |
イタリア |
イタリア |
イタリア |
7位 |
スペイン |
スペイン |
スペイン |
8位 |
英国 |
ブラジル |
ブラジル |
9位 |
ブラジル |
英国 |
カナダ |
10位 |
カナダ |
カナダ |
英国 |
11位 |
ロシア |
ロシア |
ロシア |
12位 |
トルコ |
インド |
ベネズエラ |
13位 |
インド |
韓国 |
インド |
14位 |
メキシコ |
ベネズエラ |
韓国 |
15位 |
韓国 |
メキシコ |
トルコ |