アストラゼネカ(AZ)は、経営効率化を目指した大幅なリストラ策を展開中。R&Dでは、血栓・胃食道逆流性疾患・卵巣がん・膀胱がん・統合失調症・うつ病・C型肝炎など10分野から撤退することになった。撤退分野のなかに胃食道逆流性疾患があることには、同社がPPIのNexiumの製造企業であるだけに驚きをもって迎えられた。この動きは高脂血症薬リピトールを持つファイザーが心血管分野からの撤退を発表したのと近似している。
AZは、同業他社がOTCや後発医薬品などリスクが小さい分野へ多角化を図っているのとは異なり、医療用薬での一層の集中化を進めている。同社は、リストラ策で年間10億ドルの削減を計画し、R&D絞込みで全体の25%削減を見込んでいる。このため3500人の研究者らが影響を受け、1800人が解雇される。
しかし、同社は削減したR&D領域でも導入は行い、削減分をバイオテクノロジーやパーソナライズド・メディシンなどへの投資に振り向ける。