武田薬品 10年度上期 DPP-4阻害薬など6製品の国内発売見込む
公開日時 2010/01/14 04:02
武田薬品は2010年度上期(4~9月)に、日本市場で、次世代の糖尿病治療薬となるDPP-4阻害薬アログリプチンを含む6製品の発売を見込んでいる。申請時期などを踏まえると、下期(10~11年3月)にはさらに糖尿病用配合剤など3製品の承認取得の可能性があり、順調にいけば10年度に9製品を発売できそうだ(下表参照)。
同社は最大市場の米国で、最主力品の糖尿病薬アクトスが11年に特許切れを控える一方、アクトス後継品で次期主力品候補のアログリプチンが追加試験を求められる厳しい環境下にある。特許切れによる売上減をいかにカバーするかが最重要の経営課題になる中で同社は、世界2位の日本市場で新製品を相次いで投入し、特許切れの影響を最小限に食い止めたい考え。
アログリプチンは日本が世界初の上市国となる可能性が高い。同社は現在、3つの糖尿病治療薬(アクトス、ベイスン、グルファスト)を手掛けており、ここにアログリプチンが加わることで、より一層、患者の病態に応じた治療の選択肢を提供できるとしている。日本でDPP-4阻害薬は万有製薬と小野薬品が昨年末に発売したが、両社とも糖尿病治療薬は今回が初めて。武田薬品はDPP-4阻害薬の国内発売に出遅れたものの、複数の糖尿病薬を武器に競争力を十分発揮できるとみている。
また、10年度上期には新規の不眠症薬ラメルテオンや抗がん剤ベクティビックスの発売も予定する。ラメルテオンは上市されれば、99年のアクトス以来、11年ぶりの自社創製品の発売となる。ラメルテオンは1月からMR研修を本格化。自然な睡眠導入を特長に、使いやすさなどを訴求していく方針で、軽症不眠症の第1選択薬に位置づけられるよう取り組む。一方、ベクティビックスは大腸がん治療薬で、大腸がん患者を診ている病院(大学病院やがん拠点病院など)を担当するMRに対して、既にインターネットを活用した研修を始めている。同社の大腸がん市場への参入は同剤が初めて。
10年度上期の発売予定製品 |
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一般名/製品名 |
適応症 |
ラメルテオン |
不眠症 |
アログリプチン |
糖尿病 |
ベクティビックス |
進行・再発の結腸・直腸がん |
ブロプレス+アムロジピン |
高血圧症 |
アクトス+メトホルミン |
糖尿病 |
アクトス口腔内崩壊錠 |
糖尿病 |
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下期に発売の可能性がある製品 |
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一般名/製品名 |
適応症 |
アログリプチン+アクトス |
糖尿病 |
アクトス+グリメピリド |
糖尿病 |
タケプロン+メトロニタゾール+アモキシシリン3剤併用パック製剤 |
ヘリコバクター・ピロリ二次除菌 |